名女優4人が夢の初共演!北米大ヒットの話題作
監督:変かもしれないけど、誰かにやらせたくなかったから、自分で監督することにしたんです。監督になる夢をずっと持っていて「自分でやらなきゃ気がすまない」というわけでも、8歳の子どもがビデオカメラを手に走り回って「映画監督になりたい!」と思っていたわけでもなかった。失敗しても自分の失敗であってほしいし、自分の決断であってほしい、という感じでした。
フォンダ:ビビアンはトラブルメーカーで、いつも鍋をかき回している人でもある。彼女は大胆だけど実は自分には正直じゃないわね。
フォンダ:女友だちにセックスのことを考えさせたいからよ。なぜなら彼女は、友人たちがこの本を読み始めてスイッチが入ることを知っていたから。でもこの本はビビアン自身に大きな変化はもたらさない。なぜって彼女は常に性に奔放だから。友人たちにちょっとしたスキャンダルを与えるのを楽しんでいるんです。セックスについて諦めてほしくないと願っているのね。でも物語の最後の最後で、ビビアンの考えを変えてくれるのは友人たち。彼女たちはビビアンを鼓舞して、笑わせてくれるの。
私が演じるビビアンが心配しているのは、友人たちが「本当は諦める準備ができていないのに、諦めてしまっているのではないか」ということ。だから私の役割は、彼女たちが長い間避けてきたことについて考えさせることなのよね。
フォンダ:私たちの文化は、ある時点でセックスをやめることを前提にしています。だからこそ子どもたちは、実は両親が性的にアクティブであり続けていると知ったとき、とてもショックを受けるの。だからこの映画の中で私が気に入っているのは、ダイアン(・キートン)の娘が彼女をどう扱うかということ。彼女はパイロットのミッチェル(アンディ・ガルシア)にときめいているけれど、娘から見ればセックスから引退した老人でしかない。実際に起きていることと、社会や子供たちの認識との間にあるギャップは、年齢が原因であることがほとんどです。私はもう80歳だし、私生活でもそうだけど、「もう終わり」と決めた時だけが終わりだと思っています。それが必ずしも恋愛にまつわることでなくてもいい。とにかく何事にも好奇心を持ち続けること、インスピレーションを受け続けること、人生に関わり続けること、そして変化を起こそうとすること。すべては私たち次第なのです。
フォンダ:ええ、私はこれまで3人と仕事をしたことがなかった。でも本作をきっかけに、全員で連絡を取り合うようになったわ。4人の関係を育んでいきたいと思っているの。キャンディス(・バーゲン)のことは彼女が17歳の時から表面的には知っている。当時のボーイフレンドが彼女に会う機会を作ってくれたんだけど、彼女を見た時は気絶しそうになったわ。美人で賢くて面白かったから。ダイアン(・キートン)については、接点はなかったけれどとても尊敬と興味を持っていた。メアリー(・スティーンバージェン)は私にとって、まさに完璧な人。彼女の心はサウンドステージのように大きく、とても寛大で多面的なの。
監督:今の社会やハリウッドでは年齢による差別がはびこっていて、ある年齢を迎えると自分の存在意義は終わったと考えるようになる。社会の認識なんて気にする必要はない、克服すべき唯一の障害は自分の考えだけ!ということです。
フォンダ:この映画は、年を取ってセックスからかけ離れてしまった人々に、罪悪感や羞恥心を持たせるためのものではないわ。もちろん、誰も人生の後半で性的であり続ける必要もないし、それを決めるのは自分次第よ。
1977年4月6日、アメリカ、イリノイ州出身。映画プロデューサー、脚本家。ノースウェスタン大学を卒業し、ロバート・レッドフォードのワイルドウッド・エンタープライズに 14年間勤務。その間に『オール・イズ・ロスト 〜最後の手紙〜』(13年)や『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(14年)など多様な作品を手掛けた。プロデューサーとしての主な作品は『声をかくす人』(11年)、『ランナウェイ 逃亡者』(12年)、『さらば愛しきアウトロー』(18年)など。脚本家としての主な作品は『ロング・トレイル!』(15年)などがある。本作が長編映画監督デビュー作となる。
1937年12月21日、アメリカ、ニューヨーク出身。『のっぽ物語』(60年)で映画デビュー。『ひとりぼっちの青春』(69年)でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされ、『コールガール』(71年)と『帰郷』(78年)で同賞を受賞。07年にはカンヌ国際映画祭より名誉パルム・ドールを授与されている。その他の主な出演作に、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた『ジュリア』(77年)、『チャイナ・シンドローム』(79年)、『モーニングアフター』(86年)、『黄昏』(81年)、『アイリスへの手紙』(89年)、『大統領の執事の涙』(13年)、『パパが遺した物語』(15年)、『グランドフィナーレ』(15年)、『夜が明けるまで』(17年)などがある。